「お酒と一緒に柿」が効く!? 「渋味」の正体がカギに
甘柿と渋柿の違いって?
柿といえば、日本の秋の代表的な果物ですね。柿には、お酒を飲む時やお肌を美しく保つのに役立つ成分が含まれています。
皆さんは渋い柿に当たったことがありませんか? さすがに最近では店頭に並ぶ柿はどれも甘いですが、たまに一口かじってハズレだとがっかりしますよね。
あの渋味はポリフェノールの一種「タンニン」の仕業。収れん作用(たんぱく質を変性させ、組織や血管を縮める作用)により舌に渋味を感じさせます。でもタンニンは渋柿だけでなく、実は甘柿にも含まれているんです。
ではなぜ甘柿は渋くないのでしょうか。理由はタンニンの性質の違いにあります。渋柿に含まれるのは可溶性タンニンのため口の中で溶けて渋味を感じるのに対し、甘柿に含まれるのは不溶性タンニンで、口の中で溶けないので渋味を感じません。
渋柿・甘柿共に未成熟な果実に含まれるのは可溶性タンニンですが、甘柿の方は成長すると不溶性へと変化します。渋柿を干したり焼酎漬けにしたりすると渋味が抜けますが、これもタンニンそのものが消えるわけではなく、可溶性のものが不溶性に変わるからです。
悪酔い・二日酔い予防や美肌にうれしい成分
「柿が赤くなると医者が青くなる」ということわざがあるほど、柿はビタミンCをはじめ、ビタミンA、カロテン、糖質など栄養が豊富。とりわけ甘柿に含まれるビタミンCは、キウイフルーツ(緑肉種)やイチゴより多いというから驚きです。
ビタミンCはシミやそばかすの原因となるメラミンの沈着を抑えるほか、コラーゲンの合成に関わり、シワやたるみなどを防いでくれる美肌の味方です。
また柿は悪酔いや二日酔いの防止にも役立つといわれています。タンニンにはアルコールと結合してその吸収を抑え、排出を促す働きがあると考えられているほか、収れん作用により腸粘膜も保護してくれます。
飲酒後はアルコールの解毒に糖を使うため低血糖になりやすいですが、柿の豊富な糖分がこれを補ってくれます。さらにカリウムの利尿作用でアルコールの尿排出も促されます。
柿を食べるタイミングですが、お酒を飲む前でも飲んだ後でもどちらも効果があるそうです。生ハムを巻いたり、クリームチーズと合わせたりして、おつまみとして楽しむのもいいですね。
もちろん「柿さえ食べればいくら飲んでも大丈夫!」というわけではありませんのでご注意を!
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