「七転八倒」「痛みの王様」尿路結石の原因は!?
人気俳優を苦しめた痛みの正体
完全菜食生活を送っていた人気俳優が体調を崩し、食生活の見直しを余儀なくされたというニュースがありました。彼を襲った症状と原因は何だったのでしょうか。
大ヒット映画「ハンガー・ゲーム」シリーズでもおなじみの俳優、リアム・ヘムズワースさんは4年の間、植物性の食品だけを口にするビーガン生活を送っていましたが、腎臓結石を患い手術を受けることに。それを機に食生活を変えたそうです。
腎臓結石は腎臓、尿管、膀胱、尿道などの尿路に石(結石)ができて詰まる尿路結石の一種。尿の流れが妨げられ圧力が加わり、背中や肋骨、腰、腹、下腹部などに激しい疝痛(さしこみ)が生じます。それは「七転八倒」「痛みの王様」と表されるほど。腎臓結石や膀胱結石は尿管結石や尿道結石のような痛みは少ないものの、残尿感や血尿などの症状が見られるそうです。
また結石は一度治癒しても10年以内に高い確率で再発するといわれています。
ヘルシーなイメージの生野菜に潜む罠!?
結石の原因物質にはいろいろありますが、リアムさんの場合は「シュウ酸」が関係していたようです。
シュウ酸は通常、腸管内でカルシウムと結合しシュウ酸カルシウムの結晶となりそのまま便排出されますが、取りすぎると尿中に流れ出ます。そこでカルシウムと結合すると結石が腎臓の働きを妨げたり、尿管などに詰まり激痛を引き起こすのです。
シュウ酸は特にホウレンソウ、ピュアココア、チアシードなどに多く含まれます。水溶性なので、たとえばホウレンソウのおひたしのようにゆでればお湯に流れ出る上、絞って水気を切るとさらに減らせるので、副菜として適量食べるなら安全です。
ところがリアムさんは毎朝ホウレン草5掴み分が入ったスムージーを飲んでいたのだとか。いくら鉄分やカロテン、ビタミン類などが豊富とはいえ、生のまま大量に摂取すれば余計な成分を取りすぎてしまいますね。
カルシウムを含む食品を一緒に食べることも、尿路結石を予防する上で効果的。ピュアココアも普通は少量を牛乳に溶いて飲むので、特に心配はいりません。また玉露や煎茶などの緑茶類にも含まれますが、1杯に使う茶葉を考えると含有量はそれほど多くありません。ただし毎日大量に飲む人は注意しましょう。
食の多様化で選択肢が増えるのは良いことですが、極端なやり方で健康を損ねては元も子もないので、気を付けたいものですね。
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