冬に気を付けたい「モーニングサージ」とは
「朝だけ血圧が高い人」はご用心!
今年の冬は、いつも以上にウイルス性呼吸器疾患の感染対策を入念に行いたいものですね。それに加えて、中高年の方は「モーニングサージ」と呼ばれる血圧の急上昇にもご注意を!
血圧は主に身体や精神の活動に合わせて変動し、その度合い(高低)は年齢や健康状態、季節などさまざまな条件によって異なります。健康な人でも目覚める直前から上昇し始め、日中の活動時は比較的高いままを維持し、夜になると低下するといったように、一日の中でも時間帯によって上下するのが普通です。
血圧が急激に変動することを「血圧サージ」と呼びます。サージとは大波のような「うねり」のこと。このうち、起床前後に起きるものが「モーニングサージ」です。
脳卒中や心筋梗塞といった高血圧が引き起こす疾患は、血圧が常に高い人特有の問題と考えられがちです。しかし発症リスクを正常な血圧の人と比較した場合、高血圧の人は約1.5倍のリスクであるのに対し、日中の血圧は正常で朝だけ急に上昇するモーニングサージの人は約2.5倍にもなるといわれています。
モーニングサージ予防のカギは「寒暖差」を減らすこと!
モーニングサージが冬になると起きやすい理由は「寒暖差」。たとえば朝、温かい布団から急に出ると、熱の放出を防ぐため血管が収縮し血圧が上がります。また薄い寝巻き姿のまま廊下や玄関に出たり、薄着で外のゴミ捨て場に行ったりするのも禁物です。
暖房の利いていない洗面所や脱衣所も危険が潜んでいます。さらに衣服を脱いで体が冷えた状態から急に熱いお風呂に入ると、今度は血管が広がり血圧が急低下。血圧の乱高下(ヒートショック現象)は脳卒中や心筋梗塞へとつながります。
これを防ぐには、「寒暖差を減らす」ことが重要です。朝起きたらリモコンで部屋の暖房を入れ、少しずつ体を慣らしながら布団から出る。廊下や玄関に出る前に上着などを羽織る。洗面所や脱衣所にも暖房を入れる。お風呂のお湯を熱くしすぎない。しっかり温まったら、ゆっくりと湯船から出る……。こうした点を心掛け、血圧の急な変動を防ぎましょう。
日中に病院で血圧を測定しただけでは気付きにくいのがモーニングサージの特徴。ご家庭でも目覚めてから1時間以内に測定し、「朝の血圧」を把握しておくことも有効です。
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