結局効くの? 効かないの? 謎の多い食品ウコン
カレーでおなじみの黄色い生薬
先日「ウコン(ターメリック)に薬効はないことが判明!」という記事が話題になりました。ネットのニュースで目にした方も多いのではないでしょうか。
ウコンといえばカレーのスパイスや食品の色つけ、漢方薬としておなじみのインド原産の植物。ショウガに似た形の根茎を乾燥させ、皮をむいて粉にしたものが市販されています。カレーに使われる苦味の少ない「秋ウコン」に対し、健康食品に使われる苦味や黄色味が強いものは「春ウコン」と呼ばれます。漢字の「鬱金」は沖縄で「うっちん」と読み、これを煎じたお茶が親しまれています。
最近ではクルクミンという成分が肝機能を高め二日酔い防止に効果があるとして各種ドリンク剤が発売され、うっちん茶同様、飲酒の前後に飲まれています。
「薬効なし」は本当か
「肝臓によい・二日酔いに効く」「抗酸化作用がある」「がんを抑制する」「炎症を抑える」「アルツハイマー予防に効く」と万能薬的な扱いをされてきたクルクミンですが、ミネソタ大学がこうしたクルクミンの効果に疑問を呈する論文を発表しました。ただしウコンそのものについて「薬効がない」とは断定していません。この論文が拡大解釈されて「ウコンに薬効なし」という極端な結論になっていったようです。
データはまだ不十分ながら、ウコンは消化不良(肝臓)に対してヒトでの有効性が示唆されています。ともあれまだまだ解明されていない部分がある食品で、各メーカーも研究を重ねている最中のようです。
もちろん取りすぎに注意!
ウコンもほかの食物同様、取り過ぎはNG。過剰または長期摂取で消化管に障害を起こす危険があります。また秋ウコンは鉄分を多く含むため、鉄制限食療法中のC型慢性肝炎患者は症状が悪化することも。胃潰瘍や胃酸過多、胆道閉鎖症の人にも禁忌です。さらにクルクミン自体が肝障害を引き起こす可能性があるとの報告も。もちろん、スパイスなど食品として普通に口にする程度なら何の問題もありません。
「ウコン入り飲料を飲めば二日酔いなんか怖くない!」とあまり過信するのは禁物です。気休めにはなるかもしれませんが、それよりお酒の量をセーブした方がよっぽど健康的ですよね(それができたら苦労しない?)。
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