生焼けは危険! 気を付けたい「ひき肉の食中毒」
そのハンバーグ、しっかり焼けてますか?
レア、ミディアム、ウェルダン……。皆さんの好きなステーキの焼き加減は何ですか? 最近ではレアのハンバーグも登場し人気ですね。でもちょっと待ってください。そのハンバーグ、ほんとに安全ですか?
ウシの腸管内には食中毒の原因となる病原性大腸菌O157が存在することがあります。私たちが「レア」「ミディアムレア」「ミディアム」など生の状態を残した牛肉のステーキを安全に楽しめるのは、O157が肉の表面にしか付着せず、75度で1分間加熱すれば死滅するからです。
一方、塊の肉をひくと肉の表面と中の部分が混ざり合い、菌が肉の中に入り込んでしまいます。つまり中も外も同じ条件になってしまうため、表面を焼いただけでは菌が死滅しません。同じ理由で、細かい肉を混ぜて結着剤でまとめた成型肉も中までしっかり加熱する必要があります。しかも加熱が足りず中途半端に温まったひき肉の内部は、微生物の増殖に適した温度になるため、かえって食中毒の危険性が増えてしまいます。
ご家庭では中までしっかり火を通して!
ユッケなども、塊肉の表面をそぎ落とし使う包丁やまな板をトリミング専用にするなど衛生管理を徹底しなければなりません。現在レアハンバーグを提供しているお店はもちろんこうした対策をしっかり行っていると思います(思いたいです)が、家庭では難しいでしょう。
某ユーザー投稿型レシピサイトを見ると、「牛肉100%だからミディアムレアでもOK」と書かれたハンバーグのレシピが載っていたりします。「牛肉100%だから」というのはレアステーキのイメージからでしょうか。ミディアムレアとは肉の中心温度が約65度になる焼き加減で、これでは菌の死滅に不十分です。
ご家庭でハンバーグを作る時は、たとえ牛肉100%であってもしっかり中まで火を通すことを心掛けましょう。
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