程よい辛さが脂肪を燃やす!? カプサイシンのパワー
「辛っ!」「旨っ!」なトウガラシで代謝UP!
「冷たいメニューもいいけど、暑い夏こそ汗をかきながら辛いものを食べたい!」という方も多いと思います。中にはトウガラシの辛味にダイエット効果を期待している人もいるのではないでしょうか。
トウガラシに含まれる辛味の正体「カプサイシン」は、カプサイシノイドという有機化合物の一種。種が辛いと思われがちですが、実は胎座(種が付いている土台)と隔壁(空洞を隔てる仕切り)に多く含まれています。
脂溶性で油やアルコールなどに溶けやすく加熱に強いため、炒めても煮込んでも辛さが弱まらず、さまざまな料理に使われます。程よい辛味は舌や胃を刺激し、唾液の分泌を促し食欲を増進させるだけでなく、スパイスで塩以外の味をプラスすることは減塩にもつながります。
消化・吸収されたカプサイシンは、熱や痛みを感じるTRPV1という受容体に作用。それによりアドレナリンが分泌されます。私たちの体内には、脂肪を蓄える白色脂肪細胞と、脂肪酸を燃やして熱を産生する褐色脂肪細胞がありますが、アドレナリンはエネルギー代謝を行う交感神経を活性化させ褐色脂肪細胞の熱産生を高めます。体が熱くなると、汗をかいて体温を下げようとします。これが、辛いものを食べると汗が出てくるメカニズムです。
また動物実験の段階ですが、適度なカプサイシンの摂取は胃酸の分泌を抑えるため胃粘膜を保護し、胃潰瘍になりにくくなるという報告もあるそうです。
「辛いもの好き」は要注意! 取りすぎのデメリットも
いくら代謝を上げてくれるといっても、食べ過ぎはやっぱり禁物。カプサイシンは胃液の分泌が抑えてくれますが、取りすぎるとTRPV1がかえって働かなくなり胃の粘膜が傷ついたり喉が荒れたりします。
また咳や息切れ、排尿障害や胃食道逆流症、肝障害や腎障害などの原因にも。交感神経の働きが高まると心拍数も増えるのでこちらも注意が必要です。たとえ少量でも、子どもや刺激に弱い人の場合は粘膜の炎症や吐き気、高血圧などの症状が出る可能性があります。
辛い料理で汗を流した後の爽快感は確かに魅力ですね。トウガラシをふんだんに使ったエスニック料理や激辛メニューなども人気ですが、ほどほどの辛さでおいしく楽しみましょう。
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