おいしいだけじゃない! 意外(?)な栗の実力
あの渋皮に抗酸化作用!?
焼き栗や栗ご飯、渋皮煮、マロングラッセ、モンブラン……。栗のおいしい季節がやってきましたね。栗って、ああ見えて結構体にうれしい成分が詰まっているんです。
栗はビタミンB1(チアミン)が豊富です。糖質やアミノ酸の代謝に欠かせない補酵素で、脚気や神経炎を防ぐためになくてはならない成分。ゆで栗100g中に含まれる量はモロヘイヤや豆苗などとほぼ同じです。
ナトリウムの排出を促してくれるカリウムは100g中460mg。カリウムを多く含むと言われるバナナやメロン、サツマイモ、ホウレンソウ、メカジキやゴマサバ(いずれも生)などに匹敵する実力を持っています。
またビタミンCの含有量は柑橘類に迫るほど。しかもジャガイモのようにビタミンCがデンプンに包まれているため、加熱による損失が少ないのがうれしいところです。
通常の調理法ではむいてしまう渋皮にはタンニンが含まれています。強い抗酸化作用を持つポリフェノールの一種で、老化防止やがん予防にも効果が期待できます。渋皮煮なら余すことなくいただけますね。
「マロン」には2つある!?
ところで、マロングラッセやマロンケーキなど、栗を使ったお菓子を「マロン○○」と言いますよね。マロン(marron)はフランス語ですが、当然栗のことを指すと思っていませんか? ややこしいことに、実はマロンと呼ばれるものには2種類あるんです。
一つは、ヨーロッパに分布するセイヨウグリ。日本に自生するニホングリ同様ブナ科に属します。フランス語でシャテニエ(châtaignier)といい、その木になる実はイガの中に複数入っている小粒のものがシャテーニュ(châtaigne)、1つだけ入っている大型のものがマロンと呼ばれます。シャテーニュは主にクリームやペーストなどに加工され、大きな粒のマロンがグラッセなどに使われるというわけです。
もう一つのマロンは、トチノキ科のセイヨウトチノキ、いわゆるマロニエの実です。色や形は栗に似ていて、こちらもとげのある殻に包まれていますが、毒性のあるサポニンなどを取り除かないと食べられません。
一説には、昔はマロングラッセをマロニエの実で作っていたというのですが、本当にそんな面倒なことをしていたのか怪しいものですね。
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