食べても無駄!? 気になるコラーゲンの謎
“次の日お肌プルプル”って本当?
お鍋やスープがおいしい季節になってきました。「冬はお肌が乾燥しやすいから、コラーゲンたっぷりのお鍋を食べて潤いを保たなきゃ!」と思っている方も多いのでは? でもちょっと待ってください。実はコラーゲンを摂っても“プルプルお肌”になるとは限らないんです。
コラーゲンは大切。でも……
コラーゲンは繊維状のタンパク質で、ヒトの体を構成する全タンパク質の約30%を占める、なくてはならない物質です。体内のコラーゲンのうち約40%は皮膚、約20%は骨や軟骨、残りは血管や内臓などにあります。
加齢によって量は徐々に減り、質も低下するといわれていて、年を重ねていくにつれて骨や関節がもろくなり、お肌のハリも失われていきます。
「やっぱり積極的に食べて摂ったほうがいいんじゃない?」と思いますよね。
コラーゲンを多く含む食べ物には、鶏の手羽先や皮、牛すじ、モツ、スッポン、フカヒレなどがあります。水炊きや参鶏湯、モツ鍋、スッポン鍋など、まさに寒い季節にぴったり。居酒屋でも「美肌」をうたったコラーゲン鍋が人気です。
ヒトがタンパク質を食べると、アミノ酸やペプチドなどの小さい分子に分解されてから吸収され、再びタンパク質へと合成されます。しかしタンパク質の種類はさまざまで、コラーゲンを食べたからといって必ずしも体の中で再びコラーゲンになるとは限りません。コラーゲンを摂ることがコラーゲンを補うことになるかどうかは証明されていないのです。
それでも摂らないより摂ったほうがよくない?
ではコラーゲンを食べ物やサプリメントで摂るのは無駄なのでしょうか。そこで関係してくるのが「アミノ酸のバランス」です。
アミノ酸には、体内で十分な量を合成できないため栄養として摂る必要がある「必須アミノ酸」と、体内で合成できる「非必須アミノ酸」があります。こちらでもお話ししたように、食事で重要なのは必須アミノ酸を偏りなく摂ること。実はコラーゲンは、必須アミノ酸のバランスがよくありません。
とはいえ、肉だけでなく野菜もたくさん食べられてビタミンや食物繊維をたっぷり摂れるのがお鍋のいいところ。コラーゲンのことはいったん忘れて、おいしくいただきましょう。
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