ちゃんと食べてるのに……。「新型栄養失調」にご注意!
豊かな食の時代の新たな病
「栄養失調」と聞くと、食糧難の時代や苦しい経済事情といったイメージが湧くのではないでしょうか。実は今、従来とは違う原因で起きる新たな栄養失調が問題になっています。
食べ物が豊富にある現代社会で、毎日ちゃんと食事をしているつもりでも栄養不足になってしまうことがあります。これが「新型栄養失調」です。主に高齢者や若い女性、中年男性に見られる症状で、最大の特徴はタンパク質不足です。
高齢者の場合、食べる量が減り、あっさりしたものを好むようになったり、噛む力の低下により柔らかいものばかり食べる傾向があります。そのような食生活では、自分では十分に栄養を取っていると思っていても、タンパク質の摂取量は不十分なことがあるのです。
タンパク質は筋肉や内臓、血管、赤血球やヘモグロビン、免疫細胞といった私たちの体を作る基本的な材料。筋肉の量が減ると転倒や骨折をしやすくなり、血管がもろくなると脳出血や脳卒中、心臓病などのリスクが高まります。ヘモグロビンの減少は貧血を引き起こし、免疫力の低下は感染症を招きます。
若い女性や中年男性の場合は、ダイエットやメタボ対策で糖質や脂質を気にするあまり、必要なタンパク質まで減らしてしまうことで新型栄養失調になってしまうようです。
お肉を食べて「アルブミン」を増やそう!
タンパク質が十分に取れているかは血液中のタンパク質成分「アルブミン」の値でチェックできます。健康診断の血液検査の項目(肝機能)にも記されている値で、一般的には血液0.1Lあたり3.8g以上あれば正常値ですが、50歳代くらいからは4.3g以上がよいとされています。
タンパク質は魚や大豆製品でも補えますが、一番効果的なのは適度に脂肪の付いたお肉。摂取したタンパク質は分解され肝臓でアルブミンが作られますが、脂肪はそのためのエネルギーとして効率よく働きます。コレステロールが気になる方もいると思いますが、コレステロールも免疫力アップや細胞膜の調節などに欠かせないものなのである程度は必要です。
「急に重たいお肉メニューは……」という方は、さっぱりとした「豚肉の冷しゃぶ」や「牛肉のカルパッチョ」「鶏手羽元の甘酢煮」などから始めてはいかがでしょうか?
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